Peplink×LMS 新しい映像伝送システムの実現

現場での映像配信やライブ配信では、ネットワーク機器とエンコードソフトの相性が安定性を大きく左右します。 Peplinkルーターは複数回線を冗長化したり、束ねたりすることで光回線がない環境でも安定した通信を構築できるため、さまざまな映像・音声機器と組み合わせて活用されています。
今回は、アプリケーション型のエンコードソフト「LMS」と、Peplinkルーターを組み合わせて 現場での実力を確認するための検証を行いました。
LMSとは?
LMS(Live Multi Studio)は、TBSテレビ と WOWOW が共同開発したアプリケーション型のライブエンコードソフトです。
従来のラック型・ボックス型エンコーダーと異なり、 PCやスマートフォン 上で動作するソフトウェアとして提供されているため、運用コストの最適化や、現場での柔軟性が期待できます。
また、最新の暗号化方式による信頼性や、超低遅延での映像送信を実現しており スポーツ配信や音楽ライブの配信など、様々な現場で積極的に活用されています。
検証目的
近年、映像伝送の現場ではモバイル回線を使った高品質な映像伝送が求められています。 本検証では、Peplink×LMSを組み合わせ、現場でよく利用されている「モバイル映像伝送専用機」と同等レベルの伝送環境を実現できるのかを検証しました。
もし同等品質を達成できれば、専用機よりも安価で、構成の自由度が高い新しい映像伝送システムを提案できるようになります。
Peplink×LMS 組み合わせ検証

本検証にあたり、LMSを共同開発された株式会社TBSテレビと株式会社WOWOWのご担当者様にご協力を頂きました。この場をお借りして御礼申し上げます。
今回は、カメラに接続された端末(PDT-FP1)と受信側となるPCにLMSをインストールし、現場での映像を拠点に送信する一般的な伝送環境を構築しました。 その間にはPeplinkのMAX Transit Duo ProとB Oneを設置し、SpeedFusionVPNを構築することでMAX Transit Duo Proに挿入されている2枚のSIMをボンディングし、安定した通信を構築します。
測定方法と測定に使用したSIMは以下の通りです。

- 測定方法
- ビルの外周 半径2km圏内をタクシーで回り、測定する(地図参照) 他社製モバイル映像伝送専用機も並行して同条件での検証を行い、映像伝送の安定性を比較する。
- 使用したSIM
- ➀他社製モバイル映像伝送専用機と条件をそろえての検証
- docomoSIM ×1
- モバイルルーター(docomo) ×1
- ➁複数キャリアでの検証
- docomo ×1
- softbank ×1
- ➀他社製モバイル映像伝送専用機と条件をそろえての検証
検証結果
かごの中に現場側の機材を入れて、簡易的な可搬システムとして現場を再現し、リアルタイムで送られる映像を目視で確認します。
➀の組み合わせのSIMで検証した結果
ビットレート:5Mbps
ディレイ:1200ms
Peplinkの設定:ボンディング・Fec(low)
Peplink×LMS
比較すると、映像が停止する回数は多かった。 検証コースの一部ではdocomoの通信品質が著しく低下しており、パケットロスが多発しており映像品質にも影響していた印象
他社製 映像伝送専用機
映像伝送に長けており、スループットに応じて、映像のビットレートを動的に変更する機能が上手く働いていた。 同じくキャリアの通信品質が影響しており映像が停止することもあったが、比較すると少ない。
➁の組み合わせのSIMで検証した結果
設定:同上
Peplink×LMS
同キャリア2回線でボンディングしていた前回と比べると、特定の箇所で必ず破綻していた映像に改善が見られ、マルチキャリアによる品質低下のカバーを実感できた。 ※SIMを変更できたのはPeplink機器のみだったため、比較は割愛

まとめ
全体として、映像伝送専用機の方が安定した映像伝送を維持できる結果となりました。
専用機は映像伝送単体を前提に最適化されているため、同じ条件下ではその強みがより際立つと感じました。
一方で、LMS の手軽な導入性と機材構成のシンプルさ、そして Peplink のコストメリットやWi-Fi、Starlinkを組み合わせて回線構成を柔軟に最適化できる特性 は、現場の状況が刻々と変化するロケやイベント現場では大きな利点になると感じています。
「常に最高画質・最高安定性が必須」という現場では専用機が向いていますが、
”マルチキャリア対応で柔軟に組み替えたい” “持ち運びやすい構成でコストも抑えたい” といったニーズがある現場では、Peplink × LMS は非常に実用的な選択肢になり得ます。
自社で使っているこの製品とも使えるのか?最適な現場運用をするには?など 興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にご相談ください!
















