イベント会場の電波品質を計測してみた!ワイヤレスジャパン2026

Peplink技術情報Peplink,通信安定

数千人規模の来場者と無数のデモ用デバイスが密集する展示会会場では、モバイル通信が不安定になりがちです。商談中のデモ停止やリアルタイム報告の遅延など、通信の不確実性はビジネス上のリスクとなります。

今回弊社CASOはワイヤレスジャパン2026の会場で、Peplink B One 5Gのサイトサーベイ機能を用いて各キャリアの電波環境を計測しました。

その結果を共有します!

【本記事のハイライト(結果のまとめ)】

  • au・SoftBank:全22回の計測で強い5G信号を維持。品質面も極めて良好。
  • docomo:4Gは良好だが、5Gの電波強度は他2社より低めの結果に。
  • 混雑の影響:ピークタイム(12〜15時)でも電波環境の劣化は見られず。
  • 推奨構成:特定のキャリアに依存せず、au/SoftBankを主軸にdocomoで補完する複数キャリアの併用(Peplink SpeedFusion)が最も確実な対策。

Peplinkルーターのサイトサーベイ機能については下記をご覧ください。

計測条件と前提

  • 計測機器: Peplink B One 5G(1台)
  • 計測方法: サイトサーベイ機能によるスナップショット計測※
  • 計測回数: 10時〜17時に1時間ごと、3日間で計22回
  • 検出セル数: 1,582件
  • 計測指標: RSRP(参照信号受信電力)、RSRQ(参照信号受信品質)

本計測は会場内の特定地点におけるスナップショットであり、スループットやレイテンシの実測は含みません。 RSRPは電波の強さ、RSRQは干渉や混雑の影響を反映した電波の品質を示す指標です。

RSRQの目安は -10dB 以上で優良、-10〜-15dB で良好とされます。この前提のうえでお読みください。

※ある時点でのソースコードや、ファイル、データベースファイルなどの状態を抜き出したもの

ちなみにワイヤレスジャパン2026の来場者数は下記です。

1日目(5月27日):8,095名

2日目(5月28日):8,730名

3日目(5月29日):9,233名

合計:26,058名

auとSoftBank:全22回の計測で強い5G信号を維持

auとSoftBankは全22回の計測すべてで5G信号を検出し、最良セルのRSRPも高い水準で安定していました。

【最良RSRP平均値:22回計測】

  • au / KDDI: -58.9 dBm
  • SoftBank: -60.7 dBm

一般に、RSRPは -80dBm 以上であれば非常に良好とされます。

今回の両社の平均値は、この目安をさらに約20dB上回りました!

dBは対数表記のため、20dBの差は電力比で100倍に相当します。

ただし、これは受信参照信号の電力比であり、通信速度が100倍になるという意味ではありません。

実用上は混雑や干渉で品質が多少劣化しても、安定接続を保てるだけの大きな余裕があったと解釈しています。

また、検出セル数はauが683件、SoftBankが571件と多く、複数の基地局・セルが重層的に展開されていることが分かります。

特定のセルが混雑しても別のセルへハンドオーバーできる接続の選択肢の多さは、安定性に寄与する要素です。

品質指標のRSRQで見ると、最良セルの平均はauが -8.7dB、SoftBankが -11.3dBでした。 SoftBankは強度こそ最強クラスですが、品質面ではauがやや優位という結果です。

【全体比較(LTE+5G、各計測の最良セル・22回計測)】

キャリア検出セル数最良RSRP平均最良セルRSRQ平均最良セルが5Gだった回数
au683-58.9 dBm-8.7 dB(優良)12 / 22回
SoftBank571-60.7 dBm-11.3 dB(良好)22 / 22回
docomo110-63.4 dBm-7.6 dB(優良)0 / 22回
楽天モバイル22-74.3 dBm-7.2 dB(優良)0 / 22回

※注意:docomoと楽天モバイルの最良セルは22回すべてLTEでした。

LTEと5GではRSRQの測定特性が異なり、5GセルはRSRQが低めに出る傾向があるため、この表のRSRQをキャリア間でそのまま比較することはできません。

docomo:4Gは良好、5GのRSRPは他2社より低い結果に

docomoの全体平均RSRPは -63.4dBm と良好でした。

一方5G(NR)に限定すると他2社との差が見られました。

キャリア5G検出回数5G最良RSRP平均
au22 / 22回-60.2 dBm
SoftBank22 / 22回-60.7 dBm
docomo22 / 22回-83.2 dBm

docomoの5Gは22回すべてで検出されたものの、最良RSRP平均は他2社より20dB以上低い -83.2dBm でした。 この数値は良好の目安(-80dBm)の近辺であり、通信不能を意味するものではありません。

LTEに限定して比較すると、各キャリアの品質(RSRQ)はいずれも「優良」水準でした。

LTE限定の比較(22回計測)

キャリア検出回数検出セル数最良RSRP平均最良セルRSRQ平均評価
au22 / 22回572-60.4 dBm-6.5 dB優良
SoftBank22 / 22回483-68.9 dBm-7.3 dB優良
docomo22 / 22回88-63.4 dBm-7.6 dB優良
楽天モバイル22 / 22回22-74.3 dBm-7.2 dB優良

時間帯による電波環境の劣化は観測されず

来場者が増える午後は通信が混むと言われることがありますが、

今回の計測では12時〜15時のピークタイムでも主要3キャリアの最良RSRPは -56〜-66dBm を維持し、時間帯による明確な劣化は観測されませんでした。

要因として、会場に展開されていた多様な周波数帯が挙げられます。

  • 大容量のTD-LTEバンド: B42(3.5GHz帯)、B41(2.5GHz帯)を多数検出
  • プラチナバンドによる補完: B18、B28、B8が到達性を担保
  • ローカル5Gの存在: n79を22回すべてで検出

低域から高域まで多様な周波数帯が分散配置されていたことが、混雑時の劣化を防いだ一因と考えられます。

品質指標のRSRQでも同様でした。主要3キャリアの全検出セルのうち99.8%が -15dB 以上(優良63%/良好36%)を維持し、時間帯別の最良セルRSRQ平均も -8.6〜-9.8dB とほぼ一定でした。 電波の強さだけでなく品質の面でも、混雑による劣化の兆候は見られませんでした。

ただし、RSRP・RSRQは無線環境の指標であり、利用者数の増加による速度低下(輻輳)を直接示すものではありません。 本計測から言えるのは、ピーク時間帯でも電波環境は良好に保たれていたという範囲です。

計測結果に基づく推奨構成:SpeedFusionによる複数回線の活用

以上の結果を踏まえると、イベント会場で通信の確実性を高める構成として、PeplinkのSpeedFusion(ボンディング技術)による複数キャリアの併用が有効です。

  • 優先回線: au または SoftBank — 5G/4Gともに今回の計測で最も強い信号を記録。メインのスループット源とします。
  • 補完回線: docomo — 厚みのあるLTE層を活用。必要に応じて4G固定での運用も検討。

単一キャリアへの依存は、特定キャリアの障害や局所的な輻輳の影響を直接受けます。

複数の物理回線を論理的に束ねることで、1回線に問題が生じても通信を維持できます!

まとめ

今回のサイトサーベイで分かったことを整理します。

  • au・SoftBankは全22回で強い5G信号を維持(最良RSRP平均 -58.9/-60.7 dBm)
  • docomoは4Gが良好な一方、5GのRSRPは他2社より約20dB低い
  • ピーク時間帯でも電波環境の劣化は観測されず、多様なバンド構成が背景にあると推測される
  • 品質指標RSRQでも全セルの99.8%が良好以上を維持し、時間帯による変動もなし

本計測は特定地点・スナップショット方式によるRSRP計測であり、実効速度を保証するものではありません。 それでも、現地で実際に計測したデータは、回線選定や冗長構成の設計における確かな判断材料になります。

イベント会場でのネットワーク構築をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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