ネットワークの通信量を「見える化&制限」:Peplinkで実現する賢いデータ管理術

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モバイル回線やStarlinkなどのデータ通信で気づいたら容量オーバー…

そんな経験ありませんか?

  • 複数の拠点
  • 多数のIoTデバイス
  • バックアップ回線に従量課金制のネットワークを使っている

これらの場合、気づかないうちに発生するデータ通信量の肥大化は現場を悩ませる問題です。

本質的な課題はどのSIMやStarlinkがどれだけ使っているのか見えないこと。

つまりデータ通信のブラックボックス化と、そこから生まれるコスト超過リスクです!

こうしたトラブルを未然に防ぐには、“見える化”と“制御”が不可欠です。

本記事では、これらの課題を解決するPeplinkのSIM Pool機能に注目。

通信量の可視化から、制限・自動切替までを一元管理できるその仕組みと、設定手順を紹介します。

PeplinkのPool機能

Peplinkデバイスを一括管理できるInControl2(以降IC2)から、SIMのデータ通信を監視・管理できる機能です。

IC2を日本語化する方法はコチラから↓

SIM Poolとは?

  • IMSI(国際移動体識別番号)
  • ICCID(固有の識別番号)

でSIMカードのデータ使用量をプールごとに監視・制御する機能です。

Peplink InControl2上のSIM Pool使用状況一覧画面。各SIMプールの名前、データ使用量、月間上限、使用率、ウォータリングタイプ(月次)が表示されている。
SIM Pool一覧

プールにはSIMを1枚でも複数枚でも登録することが可能です。

弊社では1枚ずつ登録することで大体の使用量の把握を行っております。

プールのデータ使用量は”日/週/月/年”間隔で割り当てることが可能です。

データの可視化はプールに割り当てた期間で表示することも可能です。(レポート欄のグラフボタン押下)

Peplink InControl2の使用状況レポート画面。SIMプール「ahamo.53090」における月ごとのデータ通信量を折れ線グラフで表示。ダウンロード量、アップロード量、合計値を月別に視覚化し、下部には日別の通信量詳細(GB単位)も記載。プールの月間通信上限は30GBに設定されている
毎月30GBの制限をかけたプールの通信量を可視化

SIM Poolで設定した通信量を超えると、メールやHTTPS通知はもちろん、IC2経由ですべてのデバイスに対してSIMの利用停止命令を出すことができます。

このとき停止されるのはユーザートラフィックのみで、IC2との管理通信は継続されます。

トラフィック停止イメージとしては下記の通りです。

① 通信量超過を検知

② 該当SIMのあるPool全体に対し「ユーザートラフィックの停止命令」を送信

③ Peplinkデバイスは自動的に別SIMや別WANに切替

④ 通信停止までに最大30分かかるケースもあり

PeplinkルーターのWAN接続状況を表示する管理画面。WAN 2はケーブル未接続、Cellular 1はSoftBank LTE-Aに接続済みでIPアドレス「10.83.29.55」を取得、Cellular 2はSIM未挿入、WAN 1はスタンバイ状態でIPアドレス「192.168.100.158」を保持。SIM Poolによる通信制限がかかる前の状態を示している。
SIM Poolによる通信制限がかかる前の画面
PeplinkルーターのWAN接続ステータス画面。SIM Poolによる通信制限が発動し、Cellular 1は「SIM A Hits Bandwidth Limit」によりLTE接続が切断されIPアドレス未取得。WAN 2はケーブル未接続、Cellular 2はSIMカード未挿入。代替としてWAN 1が優先度2で「Connected」となり、IPアドレス「192.168.100.158」を取得中。通信制限後の自動フェイルオーバー動作を示している画面。
SIM Poolによる通信制限がかかった後の画面

Starlink Poolとは?

Starlinkのデータ通信を監視・管理できる機能で、Starlink IDで通信量を追跡します。

SIM Poolとは一部機能に違いがあり、必要FWは8.5.2以上です。

Starlink Poolでは設定した通信量を超えた場合下記2パターンの選択肢があります。

  • ユーザートラフィックの停止
  • Starlink経由のトラフィックに対して帯域幅を制限

これにより完全に通信を止めずに、最低限のトラフィックだけを維持することが可能になります。

この帯域幅制御はFW8.5.3以降のみ対応です。(※8.5.2以前は自動的に停止に切替)

操作手順

IC2上の組織orグループ画面を開いてください。

レポートタブからSIM Card Reports かStarlinkデータプールを選択してください。

本記事ではSIM Card Reportsを選択します。

Peplink InControl2ダッシュボードの上部ナビゲーションバー画面。組織レベル「CASO TEST」が表示されており、メニューから「レポート」タブを選択するとドロップダウンに「SIM Card Reports」と「Starlink データプール」の2リンクが展開される。SIMカードの使用状況分析やStarlink回線のデータプール統計を確認するための入口となるUIを示したスクリーンショット。
IC2上のレポートタブ

画面が遷移したら、カスタムプール欄の新しいSIMプールを押下して下さい。

Peplink InControl2(IC2)上のSIM管理画面に表示される「新しいSIMプール」ボタンのスクリーンショット。カスタムプールのセクションに配置されており、ユーザーが新規にSIMプールを作成し、帯域制限やグルーピング管理を行うための操作開始ボタンとなっている。
IC2の新規プール作成ボタン

プール名や各種設定を行った後に保存を押し、

最後に画面下部に出てくる変更内容の保存を押下して設定終了です。

Peplink InControl2上のStarlink用SIMプール設定画面。IMSIまたはICCIDを用いた識別方式の選択、帯域幅の割り当て(月単位・GB単位)、初期使用量、開始日(毎月の任意日付)、通知方法(E-mail、Pushover、HTTP/S)などを指定可能。帯域超過時の挙動も設定でき、「保存」または「キャンセル」で操作を確定する管理UIの構成を示すスクリーンショット。
Starlink Pool設定画面

まとめ

モバイル回線やStarlinkの通信量管理は気づけば上限超過…なんてことも。

Peplinkルーターなら

  • 通信量の見える化
  • 上限に応じた自動制御

で無駄なデータ使用や高額請求のリスクを未然に防げます!

SIM PoolやStarlink Poolを活用すれば、複数回線の通信量を一括で把握&制限可能。

コスト管理はもちろん、安心したネットワーク運用にもつながります。

データ通信に不安がある方は、今こそPeplinkで“見える化&制限”を導入してみてはいかがでしょうか

Q&A

Q1:追加料金は必要ですか?

別料金はかかりません。しかし保守ライセンスに含まれるIC2ライセンスが有効な期間ではないと使用できません。

Q2:IC2との通信量は1ヶ月でどの程度ですか?

GPS有りで月339.7MB、GPS無しで月172.3MBほど使用します。

Q3:Peplink機器以外に入れても機能しますか?

Peplinkデバイスで行った通信のみ監視・制御が可能です。

他社製品に入れて使用した場合は機能しないためご注意ください。

Q4:通信量超過するまで通知などは来ないのでしょうか?

50%から5%刻みでメール通知設定が可能です。

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