PeplinkのDDNS設定方法:Find My Peplinkでグローバル固定IPアドレス不要

Peplink,導入ガイド・ハウツー,技術情報Peplink

ddns-setup

IPsecなどのVPNを張るには、グローバル固定IPアドレスが両側に必要なのですが、

Peplinkは片側だけでSpeedFusionVPNを張ることができます。

しかしまだ固定のグローバルIPアドレスが必要な制約があります。

そこで今回はこの制約すら解決できるPeplinkのDDNS(ダイナミックDNS)機能である
「Find My Peplink」という機能について紹介していきます!

また以前はSFVPNの構築ができていたのに、突然繋がらなくなった!という方も必見です。

そもそもDDNSとは?

軽く前提知識について説明しておきます。

グローバルIPアドレスとグローバル固定IPアドレスの違いとは?

そもそもグローバルIPアドレスは、インターネット上で一意に識別されるIPアドレスです。
例:203.0.113.1

一般的にプロバイダーから動的(変動)に割り当てられるので、定期的にIPアドレスが変更されます。
例:203.0.113.1 → 205.0.110.1

グローバル固定IPアドレスは常に同じIPアドレスが割り当てられており、外部からの安定したアクセスが行えます。一般的なVPNはこれを利用して、相互での接続を行っています。

しかしプロバイダとの契約が必要で、通常は追加料金が発生します。

項目グローバルIPアドレス(動的)グローバル固定IPアドレス(静的)
割り当て方式接続のたびに変わる可能性あり常に同じIPが使われる
外部アクセスの安定性低い高い
コスト通常料金別途契約・追加料金が必要

そのため外部との安定した通信を行うには、グローバル固定IPアドレスを契約するか
DDNSを使う必要があるのです。

DDNSとは

これはドメイン名とIPアドレスを自動で紐づけするサービスのことです。

IPアドレスが変わったら、ルーターなどがDDNSサービスに通知し
ドメインのIP情報(DNSレコード)を自動で更新します。

これにより、常に同じ名前(例:casopeplink.ddns.net)で接続できるようになります。

プロバイダーから割り当てられる動的IPアドレスが変わるたびに、ルーターがDDNSサービスに通知し、casopeplink.ddns.net というホスト名が最新のIPアドレスに更新される仕組みを示す図。初めは 201.x.x.x、その後 209.x.x.x に変化。
DDNSの仕組み

Find My Peplinkについて

Find My PeplinkはPeplinkルーターのみになりますが、数クリックでこのDDNSサービスを使うことができます!

では実際に具体的な使い方を説明していきます

Find My Peplinkの使い方は?

InControl2(以降IC2)でデバイスの個別ページを開き、Editを押下します。

PeplinkのInControl2上で表示されたデバイス情報ページの画面。デバイス名、モデル名、シリアル番号、稼働時間、オンライン時間、初回認識日、最終設定適用時間などが表示されている。“Edit”ボタンでデバイスの設定編集が可能。
IC2上のデバイス個別ページ

Find My PeplinkのトグルをONに変更して、画面下のSave Changesを押下するだけです。

「InControl2の“Information”タブで表示されるデバイス設定画面。デバイス名、シリアル番号、マップマーカー(車両や人のアイコン)、住所、位置情報(緯度経度)、タイムゾーン、メモ欄などを設定可能。地図上にピンが立っており、“Find My Peplink Service”はOFFに設定されている。」
Infomation管理画面

適用後はIC2のデバイス管理画面で、ドメイン名の確認が行えます。

「InControl2上のデバイス詳細画面で、“Find My Peplink Address”として ドメイン名が表示されている様子。デバイス名、モデル、稼働時間、オンライン時間、初回検出日、ファームウェア情報なども記載。」
IC2からドメイン名の確認

IC2からSpeedFusionVPNを構築する際にはこのドメインが自動で選択され、

グローバルIPアドレスが変更されたとしてもDDNSの機能でSFVPNを維持し続けることが可能です。

「InControl2上でSpeedFusion VPN(SFVPN)を構成する際の“Hub Devices”設定画面。対象デバイスとして“B_ONE_0337”が選択されており、“Hub device IP Addresses / Host Names”欄にホスト名が入力されている。」
IC2からSFVPNを構築する画面

一般的なDDNSサービスとの比較

機能Find My Peplink一般的なDDNSサービス
初期設定の容易さ◎(数クリック)△(複数の設定ステップが必要)
追加コスト◎(なし)〇(サービスにより異なる)
VPN連携の容易さ◎(シームレスに連携)△(公開DNSを使用)
依存関係△Peplink製品のみ〇(様々な機器で利用可能)

まとめ

いかがだったでしょうか。

「Find My Peplink」は、動的IPアドレス環境でのVPN接続の課題を効果的に解決するPeplink独自のDDNSサービスです!

このサービスの主な利点をまとめると下記になります。

  • コスト削減: 固定IPアドレス契約が不要になり、コスト削減が可能
  • 簡単設定: 複雑なDDNS設定なしでVPN接続が実現
  • 安定性向上: IPアドレスが変わっても自動追従し、接続を維持
  • 運用負荷軽減: 設定後はほぼメンテナンスフリーで運用可能

Q&A

Q1:Find My Peplinkは無料で使えるの?

別料金はかかりません。しかし保守ライセンスに含まれるIC2ライセンスが有効な期間ではないと使用できません。

Q2:Find My PeplinkはPeplink製品なら全て使えるの?

Find My Peplinkは、PeplinkのBalanceおよびMAXシリーズのデバイスで利用可能です。これらのデバイスは、Firmware 6.2.2以降を搭載している必要があります。

Q3:セキュリティ的にグローバル固定IPアドレスを持ちたくない場合はDDNS一択ですか?

こちらのFind My PeplinkやFusionHubが活用されています。

より詳細な内容が知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

おすすめ記事

Peplinkの強みを強化する機能:シナジーモードの解説記事
ボンディングをしない時の回線切り替え速度の検証
Starlink連携の設定方法
Visited 16 times, 16 visit(s) today