Peplinkルーターの「イグニッション端子」とは?車載・移動体通信に最適な理由を解説

車載ネットワークの課題を解決する「イグニッション端子」
Peplinkルーターの一部モデルには、「イグニッション端子」が搭載されていることをご存知でしょうか?
移動中も安定したネットワークが必要とされる中、「うっかり電源管理の手間で通信トラブルが…」というケースも少なくありません。この端子は、車載や移動体でのネットワーク運用において非常に有用な機能で、エンジンのON/OFFに連動してルーターの電源を自動で制御することが可能です。
オフィスや現場に限らず、Peplinkは「車の中」でも本領を発揮します。
車載ネット運用の“あるある課題”
キッチンカー、災害対策車両、キャンピングカーなど、ネット環境が求められる車両は年々増加しています。
とはいえ、こんな課題も…。
- 毎回ルーターの電源を手動で入れるのが面倒
- 切り忘れてバッテリーが上がった
- 起動を忘れて現地で通信できずトラブルに
ネットワークを使う以前に「電源の管理」が運用負担になることも少なくありません。
イグニッション端子とは?
イグニッション端子とは、車のアクセサリー電源(ACC)やイグニッション電源(IGN)と連携し、エンジンの状態に応じてルーターの起動・停止を自動化するための専用端子です。

動作イメージ:
- エンジンON → ルーターが自動で起動
- エンジンOFF → 遅延設定後に自動でシャットダウン
この「イグニッションセンス機能」により、誰でも同じ操作感で使える車載ネット環境を構築できます。
こんなシーンで活躍!
シーン | イグニッション連動の利点 |
---|---|
出発時 | エンジンと同時にVPNやWi-Fiが立ち上がる |
駐車時 | 自動でシャットダウン、電源切り忘れ防止 |
イベント対応 | 通信準備も“鍵を回すだけ”で完了 |
複数人運用 | ドライバーが代わっても安心運用 |
導入事例:災害対応車両での活用
ある自治体では、災害巡回車にPeplink MAX Transitシリーズを導入。
- エンジンON → 自動起動&VPN接続
- エンジンOFF → 60秒後に自動停止(ログ送信完了後)
「現場に着いた時点でもうネットがつながっている。
操作ミスが無くなり、運用の安心感が増しました。」
と、現場担当者から高評価を得ています。

導入のメリットまとめ
課題 | 解決内容 |
---|---|
電源管理の手間 | 起動・停止を自動化 |
バッテリー上がり | 自動停止+遅延設定で回避 |
操作ミスや忘れ | 鍵ONだけでネット運用が完了 |
通信の確実性 | エンジン連動で立ち上がりミスゼロ |
このように様々な手間やミスが無くなり、ルーターの可用性が高まります。
イグニッション端子対応モデルについて
Peplinkの下記モデルは、Molex 4ピン端子を標準搭載しており、イグニッション接続が可能です。
- MAX Transit Duo Pro(モバイル用途・高耐久性)
- BR2 シリーズ(セルラー2回線対応モデル)
- BR1 シリーズ(エントリー~中規模用途向け)
オプションの専用ケーブル(ACW-634)を使用することで、すぐに車両電源との連動設定が可能です。
技術仕様(技術者向け)
Molex Micro-Fit 3.0(4ピン)仕様
項目 | 内容 |
---|---|
コネクタ種類 | Molex Micro-Fit 3.0(4Pin) |
ピン構成 | 赤:DC IN+、黒:DC IN- オレンジ:Ignition I/P、茶:I/O(GPIO) |
ピッチ | 3.00 mm |
GPIO / イグニッション仕様
項目 | 内容 |
---|---|
IGN入力閾値 | HIGH:≧2.2V、LOW:≦0.7V(9〜30V対応) |
出力方式 | オープンドレイン(要外部プルアップ) |
シンク能力 | 最大200mA(耐性250mA) |
起動時状態 | 通常:前回設定復帰、リセット時:LOW |
Web UIからの設定(Peplink WebAdmin)

機能 | 設定内容 |
---|---|
Ignition Sensing | ON/OFF、遅延時間の設定 |
Input Sensing | GPIO変化に対する動作の設定 |
Digital Input/Output | GPIO端子のインプット、アウトプット設定 |
導入をご検討の方へ
イグニッション連動の設定は、ケーブル接続とWeb UIからの簡単な設定で完了します。
CASOでは、導入相談から設定サポートまで対応可能です。