なぜ通信は遅れる?レイテンシとパケットロスの原因とPeplinkにできること

技術情報ネットワーク回線,通信安定

Peplinkルーターを使っているとレイテンシ(遅延)
パケットロスなどネットワーク関連の用語を目にすることもあると思います!

この記事では非エンジニアでも分かりやすいように、
それらをざっくり分かりやすく解説していきます。

通信の裏側:データの流れ

まずデータがどのように目的地へ届くかを見ていきましょう!

ルーターから送られたデータは契約している携帯キャリア(ドコモなど)や
Starlinkなどが用意した通信回線を通ってインターネットの世界に旅立ちます。

この通信回線は、みんなで利用する一本の高速道路だとイメージしてください。🚗💨

高速道路が快適に走れるかどうかは、交通量や状況によりますよね。
それと全く同じで、通信の品質は以下の3つの要素に大きく左右されています!

  • 契約者の数: そもそも、その高速道路を使える許可証を持っている人がどれだけいるか。
  • アクティブユーザーの数: その瞬間に、実際に高速道路を走っている車がどれだけいるか。
  • 通信環境: 高速道路が目的地までスムーズに繋がっているか、途中で工事などをしていないか。

では遅延(レイテンシ)とパケットロスとは?

この高速道路の例えを使うと、ネットワーク用語も簡単に理解できます!

レイテンシ(遅延)とは、あなたのデータ(車)が
高速道路の入口から出口に到着するまでにかかる時間のことです。

この時間は、以下の3つの合計で決まります。

レイテンシ = ①走行時間 + ②料金所の時間 + ③渋滞の待ち時間
(①物理的なデータの移動時間 + ②処理時間 + ③渋滞の待ち時間)

レイテンシを3要素に分けて示した図。①走行時間=データの物理的な移動時間、②料金所の時間=処理時間、③渋滞の待ち時間=混雑による遅延時間の合計が通信遅延を構成することを示している。
レイテンシイラスト図

💡 遅延が30msというのは、目的地に着くまで合計で0.03秒かかりますという意味になります!

そしてこの高速道路で最も厄介なのが渋滞です。

利用者が増えて処理が追い付かなくなると、料金所の手前で処理待ちの行列が発生します。
これがレイテンシが急激に悪化する原因です。

そして料金所を待つための待機スペース(バッファ)も無限ではありません。

この待機スペースが車で完全に埋まってしまうと
後から来た車は行列に並ぶことすらできず、強制的にロストしてしまいます。

パケットロスのイメージ図。料金所前に渋滞した車が並び、待機スペースが満杯になったため、後から来た車が崖から落ちて消えてしまう様子で、ネットワークのバッファ不足によるデータ消失を表している。」
パケットロスのイメージ図

⚠️ このように目的地にたどり着く前にロスしたデータがパケットロスです。

パケットロスの判定方法と再送要求

では通信相手はパケットロスしたとどうやって気づくのでしょうか?

実は荷物の配送とそっくりな仕組みが使われています。

パケットロス判定のイメージ図。送り側で50kgと記録された荷物が、受け取り側では48kgしかなく、重量差からデータの欠落(パケットロス)を検知する仕組みを示している。
パケットロスの判定方法イメージ図

上の図を見てみましょう。

  1. 送り状(チェックサム)を作る
    • 配送員(送信側)は、データであるダンボール箱をいくつかまとめて送る際に、送り状(マニフェスト)を作成します。 そこには荷物の総重量50kgと書かれています。 この総重量にあたるのが、通信で使われるチェック用の数値(チェックサム)です。
  2. 届いた荷物を検査する
    • 受取人(受信側)は、届いた荷物を実際に計量します。すると48kgです。
  3. 間違いを発見!
    • 受取人は、送り状の50kgと実際の重さ48kgを比較し、「あれ、2kg足りないぞ?どこかで荷物が無くなったな」と判断します。 このようにして、データが正しく届かなかったことを検知するのです。
  4. 再送要求を出す
    • 荷物が足りないことが分かった受取人は、配送員に連絡してこう伝えます。 「荷物が足りないので、もう一度全部送ってください!」 これが再送要求です。この再送要求があるため、私たちは最終的に破損していないデータを手に入れることができるのです。

実際によくあるパケットロスが出るまでの流れ

レイテンシが高い回線にデータを流し続けると、レイテンシの値は上がり続け
バッファが一杯になるとパケットロスが発生します。

下記図を見るとまさにその流れが起きています。
中段のレイテンシが上がり続け、ピーク部分で赤いのパケットロスが発生しています。
※こちらのSpeedFusionVPNグラフ図の詳しい見方が気になる方はコチラの記事をご覧ください

レイテンシ増加によりパケットロスが発生する流れを示すグラフ。時間経過とともにレイテンシが上昇し、ピーク部分で赤い三角マークのパケットロスが記録されている。
レイテンシ増加でパケットロスが発生するボンディング時のグラフ

しかしパケットロスが発覚するのは、ブロックデータの処理が一通り終わったタイミングです。

なのでレイテンシが高い回線ではパケットロスの検知にすら時間がかかるため
データの流れが滞るというわけです。

Peplinkルーターはそれらをどう解決する?

Peplinkルーターは既存の複数回線を賢く有効活用することで、質の良い回線を実現する機能が沢山あります!

※回線自体の遅延(レイテンシ)を直接改善するわけではありませんが、パケットロスが引き起こすさらなる遅延の悪化や通信の途切れを防ぎ、体感的な通信品質を向上させます。

  • ボンディング:複数回線を束ねて、1本の太く切れにくい道を作る技術
  • パケットコピー:データを複製し、パケットロスを防ぐ技術
  • FEC:少ない余剰データでパケットロスを修復する技術
  • カットオブレイテンシ:遅延が酷い回線にデータを流さないようにする技術

詳細はこちらの記事をご覧ください!

Visited 19 times, 1 visit(s) today